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Road to スイカ 1


 晩夏の気配を混ぜ込んだ海風がここちよい。
 今日はノブオと鬼工野球部の1年生エース・天宮くんのコンビが『鬼浜ビーチバレー大会』に選手として出場する日だ。
 オレはリュウジとダイゴ、それから森園主将をはじめ野球部の連中と一緒に、朝も早いうちから応援席に陣取っている。

 「よし、いいか? ノブオ、天宮」
 「はい、兄貴!!」
 「ええ、リュウジさん」
 答えた2人は本番用にとリュウジに贈られた、揃いのビキニの海パンを着用している。緑と黒のツートンカラーは、まるでスイカを思わせる色調だ。

 「お前らは充分強いんだからな!!! そこんとこちゃんと信じてけや!!」
 「はいっ!!」
 リュウジを筆頭に、オレたちは揃って若手ふたりを激励した。
 森園主将の指導で円陣なんか組んでみた。オレ、こういうのってなんか新鮮だ。

 そんな感じで朝から始まった、鬼浜ビーチバレー大会。
 試合はトーナメントで行われた。
 初戦で当たったのはサラリーマンの2人組。あきらかに運動量がノブオたちのほうが上回っていて、難なく勝利。
 続く第2戦は、中学生チームとの対戦だった。現役バレー部という相手におびやかされながら、どうにか次へと勝ち進む。
 さらに第3戦は、奇しくも鬼工対決──水泳部のコンビとの対決だった。海の中ではそうはいかなかったろうけど、浜での決戦はノブオと天宮に軍配が上がった。

 そして──ついにノブオと天宮のコンビは、決勝戦まで勝ち進んだのだ!!

 昼過ぎに決勝進出チームが決まると、大会は小休止に入った。
 連戦の疲れと気持ちのたかぶりを鎮めてやろうと、オレたちはノブオと天宮を囲んで海の家で昼食をとることにした。
 あれやこれやの注文を書き留めている、海の家のお姉さんの肌は常夏色だった。

 「ノブオ、本当によくここまで勝ち進んだな!!」
 「ほんとにね。オレも正直驚いたよ。な、ダイゴ」
 「ああ。けれど実際、昨日リュウジたちと実戦練習をしているのを見ていたら、これはもしやと俺は思っていたが」
 いつもは口うるさいと思われているだろうオレたちに、口々に賞賛されたもんで、ノブオは幾分面はゆそうにしている。

 となりのテーブルでは、野球部の面々がこちらと同じように天宮くんを讃えているようだ。とはいえ、さすがに現役スポーツマン。先輩たちに戦術云々を授けられているのを真剣に天宮くんは聞いていた。
 「ノブオ、お前もあっちのテーブルに混ざったほうがいいんじゃないか?」
 「え? 何でです? ハヤトさん」
 「ほら、天宮くんが先輩らに作戦教わってるよ。一緒に聞いたら?」
 「ああ、それなら大丈夫っス! オレ、天宮のリードに従いますからね。それに、どっちかって言ったらオレは兄貴に気合い入れてもらったほうがいけそうですもん」
 「おう、逞しくなったな!! ノブオ」
 リュウジもダイゴも、晴れ晴れした顔をしていた。

 「ところでダイゴ。お前さっきもう一方のブロックの準決勝の偵察に行ってただろう? 野球部たちと一緒に」
 「押忍、リュウジ」
 「どんなチームなんだ? 相手は」
 「構成員は公務員だそうだ。30歳代の男性ふたり組だった」
 そうかそうか、なんてオレたちはダイゴの話を聞きながら、ちょうど運ばれてきた昼食に取りかかった。

 「で、どうだ? ノブオがスイカを獲得するためにはそいつらは強敵なのか?」
 親子丼とおでんといちご味のかき氷を目の前にして、リュウジはダイゴに重ねて訊いた。
 「スイカ──優勝ね」
 大会の優勝者副賞のスイカ1ダース。
 リュウジはそれを獲得することをかなり本気で楽しみにしているようなのだ。

 「ま、相手も決勝まで勝ち進んだのだし、楽に勝てるとは思わないほうがいい。スピードならばノブオたちのほうが格段に上だか、さすが年の功とでも言うか、抜け目無く弱点を突いてくる感じだな。しかも、粘り強い戦い方だった」
 ダイゴは思い出しながら、ゆっくりとこう語った。

 「なるほど、年の功ね。そればっかりは補えないもんな」
 「なんだよハヤト、そんな悲観的な顔すんじゃねえよ!! ダイゴだって言ってるだろ? スピードはノブオたちのほうが上だって。ひとつでも相手に勝るところさえあればな、試合なんてもんはどうにでもなるんだぜ!! あとは執念だな」
 そうリュウジはまくし立てた。
 
 「執念──なるほどね」
 「オウ!! ノブオ、執念なら誰にも負けねえよな!!」
 「はい!! 兄貴」
 「ちなみにお前のプレイには、俺の執念も上乗せされていることを忘れるなよ」
 「……? 兄貴の執念?」
 「ああ。俺の、スイカへの執念だ」
 リュウジの掛け値なしの真剣な眼差しに、オレたちはつい──笑ってしまった。

 「──なんだよ。何かおかしいのかよ?」
 オレたちの反応に不服そうなこの漢は、本当に何事も思いこんだら命懸けなんだよな。
 まあ、そんなところが尊敬できるんだけどね。
 
 「とにかく、オレやりますよ。天宮といっしょに」
 ノブオはチャーハンのスプーンを掌で転がしながら、オレたちを見つめてこう言った。
 「どんな相手だって、オレたちはオレたちにできることをやるだけっス! だって、オレら自身がやらないと勝てないんですからね」
 自分に言い聞かせる意味もあったんだろう。ノブオはきっぱりと言い切った。

 「よし、ノブオ!! よく言ったぜ。俺はそれを聞きたかったんだ」
 満足そうなリュウジに照れ笑いのノブオ。善哉、と頷くダイゴに、顔が笑うのを止められないオレ。
 いいな。なんかいいな。
 オレはこんな雰囲気が大好きだ──最近気付いた。
 なんでだか涙が出そうになったのは内緒だけど。


テーマ : パチスロ - ジャンル : ギャンブル

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コメント

う~ん

ノブオも頼もしくなりましたねぇ。

スイカパンツといえば、中学の時スクール水着が
ストライプだったんですよ。ジャージとか学年ごとに
色が違うじゃないですか。紺、緑、えんじ色の三色で
水着も同様だったんです。私はえんじ色でしたが
一つ上の学年が緑で、オシリのあたりが
まさにスイカでおかしかった!ヨカッタ。えんじで。

優勝賞品のスイカ、とれるといいですねぇ。
リュウジに食べさせたい♪

学年ジャージ

>>ピノコさま
わたし、中学も高校も、そういえばなぜか学年カラーが緑でしたとも!!!
水着は紺色だったのですが、中学のジャージが緑。
ぜんぜんイケてないの。
で、高校に至っては、ブルマが緑!!!
ほんとにもう、センスを疑いましたよ。人として。

しかし、ノブオのビキニって……どうなんだろ。
無責任だけど。だはは。

スイカw

うおぉ~読んでいたらスイカたべたくなりましたw
スイカ1ダースw埋もれてみたいwww

横スレですが・・・
ジャージの色といえば中学が紺。高校は水色。
ここまではフツーに(笑)
ウチの小学校なんですが・・・
学校のカラーが黄緑色orz
帽子もジャージもブルマも体操服も水着も黄緑色orz 
ふつーの小学校って黄色ですよね?!
黄色の帽子に憧れましたw

スイカ

>>Tohkoさま
じつはわたし、すごくスイカ好きなんですよ!!!
赤い部分が残らないというか、むしろ白い部分の中腹まで食べ尽くします。
「あんたカブトムシ?」ってこないだ部長に言われたとです……。

それにしても、帽子も水着も黄緑色とはなんと徹底した(^^:)
案外、緑色に悩まされた過去をもつ人っていますなあ。同志!!!

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