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純情・赤ジャージ 2

 
 「お、ハヤト。お帰り、今日は早いな」
 店でお客から預かった単車をカスタムしていた親父が、オレの姿を認めて言う。
 「うん、ちょっとね。じゃ行ってきま~す」
 鞄を置きながら親父に手を振って、オレはふたたびに単車に乗って学校へ戻った。

 時間はそろそろ6時間目の中盤といったところか。
 リュウジの作戦決行の予告時間まであと3分、といったタイミングでオレは裏門の前に到着。
 さて、リュウジは脱獄に成功するんだろうか──と考えつつ、オレは待つ。裏庭の草刈りをしている用務員のおっちゃんから身を隠すように気を付けながら。

 成功したらぼちぼちリュウジが出てくるころかな、と思っていた矢先、リュウジの姿が視界に入ってくる。
 普段の脱獄のときだったら全力疾走で近づいてくるはずなのに、どういうわけか余裕でのんびり歩いて裏門に到達した。

 「オス!! 簡単に抜けられたんだ?」
 「オウ。拍子抜けするほどにな」
 体操服姿のリュウジが面白くなさそうに言った。
 そして、あらかじめ裏門の脇の植え込み隠してあった鞄と学ランをオレに投げて寄越す。
 赤ジャージが追ってこないのを一応確認する仕草のあと、リュウジはひらりと裏門を飛び越える。
 
 「やれやれ、なんだかな。脱獄がこんなにあっけないと張り合いねえな」
 体操着の短パンの上から学生ズボンに足を通して、リュウジはオレの単車のリアに乗り込んだ。続いてさらに体操シャツの上に、学ランを羽織る。
 「じゃあ、やっぱりおかしいんだ。赤ジャージ」
 「ああ。おかしいも何もあったもんじゃねえ。転がってたテニスボールに足とられて、転んでやがったぜ」
 学ランの前ボタンを留めながら、リュウジが毒づいた。

 「へえ、じゃあよかった。心配してたんだ、オレ。代返ももちろん成功したよな?」
 「ん? 代返──あ、忘れてたぜ。悪い、ハヤト」
 「え……リュウジ、オレの出席がヤバいの知ってるくせに……」
 わはははは、とリュウジが笑い飛ばした。
 「まあまあ、何とかなるだろ。な? 元気出せや、ハヤト!!!」
 「オス……」
 嗚呼、オレが進級できなかったらリュウジを道連れにしてやろう、なんて思った。

 そうして単車を発進させたオレたちが向かったのは、赤ジャージの家の前。
 学校から海辺を国道に沿って東に8kmくらい行ったところに、赤ジャージの住むアパートがある。ちなみに赤ジャージは、雨の日でも自転車通勤の熱血漢だ。

 勤務を終えた赤ジャージが帰宅するのを、自販機で買ったジュースを片手に待ちかまえる。
 「なあ、ハヤト。実際のとこ、あいつどうしたんだと思う?」
 「赤ジャージ? さあね、見当つかないけど」
 「夏休みぼけってこともねえよな」
 「それはないだろうな。だって、仕事だし」
 「だよな。仕事はきっちり気合い入れてこなしてほしいぜ!! 俺ら生徒に心配かけるなどもってのほかだよな」
 こんなところがリュウジの生真面目なところだとオレは思う。
 勝敗は二の次、全力で向かうことをよしとせよ──とオレたちはリュウジに常に言われているんだ。

 「けどさ、なんか個人的に悩みでもあるんだったらオレらの出る幕じゃないかもよ?」
 赤ジャージの肩をもつわけではないけれど、オレはリュウジの顔色を窺いながら言ってみた。
 「ん? そうか? でも、訊くだけ訊いてみないと俺は納得できねえぜ」
 「うん、そう言うだろうとは思ってたけどね」
 とにかく赤ジャージが帰ってきて、話さえすればリュウジの気も落ち着くだろう。解決するか否かはその次の問題だし。
 
 そうこうしているうちに、路地を見慣れた自転車が入ってきた。
 赤ジャージの自慢の、これまた赤いマウンテンバイクだ。
 「オウ!!! お帰り、赤ジャージ」
 リュウジは右手を上げて呼び止めた。
 
 「お? リュウジじゃないか。ハヤトも。どうした、こんなところで」
 「どうしたもこうしたもねえよ。なあ、ハヤト?」
 「うん、そうだね」
 やっぱり赤ジャージは相当おかしい。
 脱獄したリュウジを咎めないということは、それ自体に気付いていない様子だ。それに、授業に出席すらしなかったオレを責めることすらしないのは──もしかして気付いていないのか?

 「なあ、赤ジャージよ。ちょっと時間いいか?」
 「ああ、べつに構わんが」
 覇気なく赤ジャージが答える。それへリュウジがため息を投げた。
 「落ち着いて話そうや。家、入ってもいいか?」
 「俺の部屋か? 汚れているぞ?」
 「そんなの気にしねえよ。な、ハヤト?」
 「ああ。全然」
 「じゃあ上がっていけ」
 赤ジャージは太い首を縦に振る。

 そしてリュウジとオレは、赤ジャージの家にお邪魔することになった。
 担任の家に上がり込むなんてことがあるとは、オレは全く予想外だった。
 ふつう教師と生徒の間には一線があるから、個人的に遊んだり話したりすることなんてあまりないんじゃないか、とオレは思っていた。
 けど、リュウジにはそんな線引きは通用しないみたいだ。
 
 人間同士という関係以外を思いつかない我らが総隊長は、赤ジャージの部屋の玄関に、脱いだ靴をきちんと揃えているところだった。


テーマ : パチスロ - ジャンル : ギャンブル

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コメント

ハヤトさまw

本日はハヤトサマだけに勝たせていただいたtohkoでございます。
お礼はこちらでよろしぃでしょうか?!(笑)
とにかくハヤトサマだけしか勝てないウチの鬼浜軍団・・・是非おつたえいただきたいのが・・・
リュウジ総隊長・・・もうちっとがんばっちくださいw
引き分けからのリーダー対決・・・本日5連敗でございます。。。
しばしわたくしめに勝利の美酒をぉぉぉぉぉ~

おっと取り乱してしまいました。
失礼しましたぁ(笑)

PS:華丸さまwごめんなさいw
今日はかなり鬼浜実機にえらいこてんぱんにされ
オカシクなってるTohkoですw
また遊びにきまぁ~すw

tohko姉さん!!

>>Tohko姉さん
うわ~~~、ウチの総隊長、調子悪かったみたいで……
ほんとごめんなさい!!!

きっと照れてたんですね。
だって、Tohko姉さん、きっと熱い視線とか、送っちゃった
んじゃないですか?
リュウジ、そういうのに慣れてないみたいだから。

それにしても5連敗はやっちゃいましたね……。
こんど代わりにオレが喧嘩してみます!!!
あ。もっとヤバいのか(汗)

又もやお邪魔してしまいました。
脱獄成功しましたね!
驚いたことに実機でも何回も成功してしまいました。
もしや華丸様の魔力!?ありがとうございます~
この展開、もしかして以前のお話のその後が読めるかもしれないと楽しみです。
がんばれ赤ジャージ!

成功おめでとです!

>>単savaさま
おお~~~、脱獄、成功しましたか!!!
念が通じましたね♪
しかし、脱獄→ルーレット「当」、アレはびっくりしますよね(^^:)
はじめて体験したときには立ち上がりそうでした。だはは。


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