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疾走ロード 4

 正義一貫、硬派一心で鳴らすくせに、実はリュウジは女性に惚れっぽい。

 いつも街角で鉢合わせる女の子に、秘かに熱い視線を投げかけていたりするのをオレ達は知っている。
 しかも──リュウジはなかなか相手に想いを通じさせることができない、不器用なタイプだ。

 オレ達男連中には絶大に支持されている漢の中の漢なのに、女性達はそこまでリュウジに思いを寄せないようなのだ。
 「しかしリュウジの兄貴はなんでモテないんスかねえ? オレだったら絶対嫁に行きたいっス」
 なんて、はばかりなくノブオあたりは言っているのだが。

 とにかく、今日の一件はどうもその辺と何か関連があるに違いない。
 リュウジの性質とか行動パターンを誰より知っているのは、きっとオレだから。

 オレは正面玄関から疾走していった赤い髪を目で探しながら単車のエンジンをかけた。
 リュウジの逃げ足は速い。陸上部からお呼びがかかったことがある程だ。

 そんなわけで、すでに何処かに走り去ってしまったリュウジがこんな時行きそうな場所に見当をつけて、オレはホテルを後にした。
 ちょっと振り返ったら、担任と着物のお姉さんが玄関に並んでオレのほうを見ていた。
 いつもだったらノーヘルをとがめられるだろうに、さすがに今日の担任は大声を出すことなくオレを見送ってくれた。

 おそらく傷心したリュウジが向かうと目星をつけたのは、海岸だ。
 いくら速く走れるとは言っても、さすがに単車のスピードを振り切れるわけはない。

 オレの推測がハズれていなければそろそろ追いつくだろうと思った矢先、目の前を走るリュウジの姿を捉えた。
リュウジの一歩前に単車を停めて振り返る。
 「あ──ハヤト」
 「おう。乗ってくだろ?」
 「……おう」
 いつになくしゅんとしているリュウジがリアに乗り込む。
 そのまま言葉もかけずに、オレは単車を発進した。
 きっとリュウジが目指していたに違いない海岸のほうへ向けて。

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