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純情・赤ジャージ 7


 暗黒水産の体育教師・佐藤先生がオレたちの担任・赤ジャージに勝負の段取りを連絡してきたのは、その翌日のことだったそうだ。
 決戦は次の土曜日の夕方、場所は暗黒水産の道場にて、決戦は柔道勝負──と電話がかかってきたのだと放課後に赤ジャージが言っていた。

 「相手の指定なので仕方ないのだが、柔道は佐藤の専門だ。俺の得手は剣道なのでな……」
 赤ジャージは自信なさげにこう言って、リュウジに喝を入れられている。
 「オイ、闘う前からそんな弱気でどうすんだ!!! マキ姉に本気を見せてやるんじゃねえのかよ。赤ジャージ、ウチのノブオを見てみろよ。体格差も経験差もものともしねえで、誰にだってつっかかってくぜ!!」
 「そうそう。それで勝つときは勝ってるから凄いんだよ、ノブオは」
 「へへへ、照れますぜ。兄貴、ハヤトさん」
 「ああ──そうか。それは見習わないとな」
 自らを鼓舞するように、赤ジャージが答えた。
 「ダイゴ、お前赤ジャージに稽古つけてやれ。お前、柔道部だったろ? 中学んとき」
 「押忍。では先生、さっそく手合わせ願おう」
 
 そうした次第で、決戦までの3日間赤ジャージはダイゴを相手に特訓を重ねた。
 その初日。
 「ドッセーイ!!」
 「ぐはぁ……ッ!」
 ダイゴの掛け声もろともの投げ技に屈する赤ジャージ。

 「あ~あ、大丈夫かなあ……」
 ノブオが声に出して言った。見ているオレたちも心配になる。
 「先生、うまく交わさないと。いまのって、ダイゴ一本勝ちじゃないの?」
 なんてオレが言うと、赤ジャージはしょぼんとした顔になる。

 「何だ何だ、その顔は!!! 投げられて当然みてえに思ってるだろ、赤ジャージ!!」
 「そうは思っていないのだが、俺とダイゴでは体格の差が……」
 「そんなこと言ってる場合じゃねえだろ!! 赤ジャージ、お前、マキ姉のことを軽く考えてるんじゃねえか? だったら俺は許さねえぞ」
 「そんなことは、断じて!!! よし、今度こそ」
 リュウジの乗せ上手(本人はそんなつもりじゃないだろうけど)も手伝って、赤ジャージの目はだんだん本気を帯びてきている。

 2日目。
 「でやあああッ!!」
 「お……っ!!」
 気迫のこもった叫びを交え、昨日より動きのよくなった赤ジャージが足を使った立ち技でダイゴを攻めた。
 「オウ、やるじゃねえか。赤ジャージ。いまの、大外刈りってやつだな」
 「だね、リュウジ。先生、足技は巧いんだ」
 「巧いというか、手技でダイゴに敵うわけがないのでな」
 なるほどね、とオレたちは顔を見合わせた。

 「ところで赤ジャージ先生、敵さんはどんな技が得意なんスか?」
 「ふむ。何でもオールラウンドにこなす男だったと聞くな、昔は。何と言っても県大会で優勝したほどの男だったので」
 「そう……なんだ。強敵だね、佐藤先生って」
 「ハヤト、そんなこと端から解ってるじゃねえか。敵は何のためにいるんだ?」
 「え──?」
 オレのこんな発言すら、リュウジは聞き過ごしてはくれない。

 「敵は、倒すためにそこにいるんだろうが!!! 赤ジャージ、わかったか?」
 「ああ、リュウジ。その通りだ」
 もはや赤ジャージの目に迷いはなかった。

 そして決戦を明日に控えた特訓3日目。
 固め技をダイゴにわざとかけさせて、それから逃れる訓練を赤ジャージは望んだ。
 それから受け身をとる訓練も。
 「要するに、相手にポイントをとらせなければ易々と負けることはないからな。試合時間は5分と限られているのだし」
 そんなふうに赤ジャージは言った。
 
 「なるほど。防御が最大の攻撃とかそういうやつだ」
 「そうだな、ハヤト。見てみろ、赤ジャージがダイゴの技から逃れて逆に締め技かけてるぞ!!」
 「うわあ、逆襲っスね、兄貴!! あ、ダイゴさん……?」
 あまりの赤ジャージの気迫の絞め技に、ダイゴは落ちる寸前まで行ったんだ。

 「…………」
 「わ、先生、やりすぎ!! ダイゴ、平気か?」
 「あ──すまん、ダイゴ」
 「わはははは、そうだ、それでいいぜ、赤ジャージ!!」
 リュウジは嬉しそうに言いながらダイゴの頬を叩いて正気づかせる。
 「押忍……効いたです、先生」
 
 柔道は専門外とはいえ、赤ジャージも剣道という武術で自らを磨いてきた身。
 中学時代はかなりの使い手として鳴らしてきたダイゴの特訓を受けて、赤ジャージはかなり勘よく動けるようになっていたように見える。
 もっとも、オレも柔道なんてさっぱりだから、正確なところはよくわからないんだけど。

 特訓を終えたオレたちは、すっかり日が暮れた時間になって学校を後にした。
 「なあ、ダイゴ。正直言ってどうなんだ? 赤ジャージは」
 歩きながらリュウジが訊いた。
 「ああ、まあ……試合にはなるだろう。やられる一方にはなるまい」
 「そんな消極的な感じなのか?」
 「どうだろうな。相手は強い者なのだろう?」
 「そうだね。高校時代は県大会優勝って言ってたね。オレたちが暗黒へ行ったときも道場にいたから、まだ現役なんだろうし」
 オレが言うのに、ダイゴは頷く。

 「でも、勝負ってやってみないとわかんないっスよね!」
 「ははは、ノブオらしいこと言うね」
 「いや、だがハヤト。そういうこともあるものだ。技術云々ではなく、今日の先生の気迫は凄まじかったのだ」
 「……マキ姉との未来がかかってるんだもんな、赤ジャージ」
 先頭を歩いていたリュウジが、地面に目を落としながら呟いた。
 
 「な、赤ジャージに勝って欲しいよな、リュウジ?」
 リュウジの肩を叩いて、オレは敢えて大きく言った。大丈夫だよな? リュウジは。
 一瞬あとに振り向いたリュウジは、オレが期待したとおり、すっきり振っ切れた顔をしている。
 「オウ、もちろんだぜ!!」

 リュウジも赤ジャージも、純真で純情なんだ。
 どこか似ているふたりに慕われるマキ姉さんって、きっと素敵な女性なんだろうな。


テーマ : パチスロ - ジャンル : ギャンブル

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コメント

ダイゴの柔道着♪

またもコスプレwきたぁぁぁ~♪
あまりにもハマリすぎて想像だけで・・・うははw

いっつも赤ジャージには追いかけられてますが
愛があってこそだと・・・あきらめておりますw
たまぁ~にぼぉ~っとしてる赤ジャージの脇をすり抜けますがその時はマキ姉のことを考えてたんですねw
そのまま幸せになってくださぁ~い^^
んでスキありwさせてくださいましw

愛ですな

>>Tohkoさま
ああ見えて赤ジャージって愛にあふれていたっぽいですな(´∀`)
ちっとも知りませんでしたけど。
たまにでいいから恋愛ボケしといてほしいですよね~♪

つーか、ダイゴの柔道着、イイ感じ?
フツーに似合うんでしょうけどね(=^▽^=)
だって学ランあんまり似合っ……自粛

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