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秘密指令・総員ニテ捕獲セヨ 2

 
 通称『夕映え木立』と呼ばれる場所は、鬼浜を国道沿いにしばらく北上したところにある。
 ゆるやかなカーブを描く浜に突き出す形の入り江があって、その上は切り立った崖になっている。その崖の上にある林のことを夕映え木立、と地元の連中は呼んでるんだ。
 その名の由来は、木々を抜けた崖から見る夕焼けが絶景だからと聞く。
 海に映える夕焼けは、四季を問わずとても見事なオレンジ色をしている。

 放課後、ノブオの持ってきたネタに従って謎の生物──二足歩行する陸棲の魚──探検隊を結成したオレたちは、ここ夕映え木立へと来ていた。
 「お~、わくわくしてきたぜ!!」
 「へへへ、でしょう? 兄貴。きっとこの林のどっかに潜んでますぜ、ヤツは」
 「このへんなんか怪しくねえか? ダイゴ、ちょっと見てみろや」
 「押忍」
 木の根本に草が茂っているのを見つけて、リュウジはダイゴに竹刀──赤ジャージに借りてきたらしい──を手渡して探索を促す。
 「いや、とくに何も変わりはなさそうだ」
 「あ、じゃダイゴさん、あっちはどうっスかね?」
 「どれどれ?」
 ノブオがダイゴを引っ張って、嬉々としながら次の怪しげなポイントへと足を運んだ。

 「やれやれ。ほんとにいるのかね?」
 オレはついついそんなことを呟いてみる。
 「オイ!! なんだよハヤト、そのやる気のねえ顔は!!!」
 「え──そう? なはは、気のせいだ、リュウジ。あ、あっちのほうはどうだろ? リュウジ、あの岩のあたりは?」
 「お~し、行ってみるか!!」

 ノブオの持ってきた「二足歩行する魚」の情報は最初まったく眉唾ものだったけれど、それが小さく写った写真を見るなりリュウジは俄然やる気になり、生き物好きのダイゴも興味をもったらしく──もう、ほんとに3人とも夢中なんだ。
 対するオレはわりとどうでもいい感じ。
 そんなことリュウジに指摘されると後が怖いから、アレだけど。

 オレはなるべく「わくわくしてます」を装いながら、瞳を輝かせたリュウジと一緒に林の切れ目、崖っぷちにある大きな岩の近辺を探索している。
 「しかしよく生えてるな、雑草」
 「まあな、まだ夏終わったばっかりだしな。つーか、だから好都合なんじゃねえか? 身を隠すもんがあるからこそ、怪魚がここらにいるんじゃねえの?」
 「あ~、そうかもね」
 オレはリュウジにこう返しながら、しゃがみ込んで繁った草をかきわけてみる。
 「隊長どの、とくに異変ナシです」
 「オウ、ご苦労!!」
 
 「兄貴~!! そっちどうっスか~?」
 「こっちはとくに何もねえぜ!!」
 「了解っス~!!」
 木立に声を響かせながら、二手に分かれた捜索隊は呼応しあっている。
 林の入り口付近でダイゴ隊と合流して、ちょっとした作戦会議なんか開いてみる。

 「何かさ、餌とかあったらいいんじゃないの?」
 「おお、ハヤト。それは悪くない考えだな」
 ダイゴが重々しく頷いた。
 「でも、ヤツって何食べるんでしょうね、兄貴?」
 「ぬ~、さっぱりわからねえな」
 「エビとか仕掛けてみるか? エビで鯛を釣るというし」
 「オウ!! それいいかもな、ダイゴ!!」
 「エビっスか~。オレもスキです!!!」
 「ノブオを釣ってどうするのだ……?」
 ダイゴが笑い含みに言っている。

 「しかし……エビか。どうする? どこで調達してくるんだ?」
 「あ、オレこれだったら持ってる。おやつの余りだけどね」
 ふと思い出して、オレは鞄を探ってそれを見つけ、リュウジに手渡した。
 「って、ハヤト……えびせんかよ……」
 たはは、とリュウジがオレとえびせんを見比べて笑ってた。

 「まあ、無いよりましではないか?」
 ダイゴがそう言ってくれたので、オレもどうにか面目立った感じだ。
 「そうか? ダイゴが言うんだったら仕掛けてみるか。よかったな、ハヤト」
 「ええ、隊長どの。アリガトウゴザイマス!!!」
 なんて、オレは最敬礼だ。やれやれ。

 「それじゃ仕掛けるポイント探すか。オウ、そうだ。ノブオ!!」
 「は~い、兄貴!!」
 「ちょっと木に登ってみろや!! お前そういうの得意だろ?」
 「ラジャー!!」
 言うが早いか、ノブオは靴と靴下を脱いで近くのわりと大きな木に登りはじめた。
 
 ノブオがうまく登っていくのを、オレたち3人は見守った。
 「どうだ? よさそうな場所はあるか?」
 「ええ、ダイゴさん。何カ所か茂みの濃いとこありますね」
 「見通しいいあたりも逆に狙い目かもよ?」
 「あ、それだったらハヤトさん、広場みたいになってるとこも発見しました!!」
 ノブオが答えるたびに、わさわさと木が揺れる。

 「おい、ノブオ!! お前落ちたりするんじゃねえぞ!!」
 「それなら大丈夫っス、兄貴!! あ──あれ?」
 大丈夫、と言ってるそばからノブオの声の調子が変わった。
 「どうしたんだ? ノブオ、大丈夫?」
 オレの問いかけは、ノブオに聞こえたんだかどうなんだか。

 「たたた、大変です!! 兄貴!!!」
 「どうした? 何かあったか?」
 「もしかしていたのか? 怪魚」
 3人は揃って木の上のノブオを見やる。

 「こっちに向かって来るヤツらがいます!!! 相手は4人──紫色の頭を筆頭に、スキンヘッドと巨体とモヒカンが見えます!!!」
 「何だ……と?」
 
 偵察係の声を聞いて、我らが隊長の口調が変わる。
 折りも折り──なんだってこんなところで、そんな奴らと遭遇しなきゃいけないんだ?
 オレは思わずきつく拳を握っていた。

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