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叢中に咲く一点の紅い花 5


 「ハヤト、そういや今夜、千晶ちゃんがまた一緒に走ろうって言ってるぜ」
 翌日。今日は連れだっての帰宅途中、リュウジがオレにこう言った。
 「へえ、そうなんだ。土曜じゃなくても平気だって?」
 「ああ。帰ったら念入りにパックだかなんだかするから大丈夫らしい」
 「なるほどね。で、ダイゴたちは?」
 「オウ、さっき誘っといた。ハヤトも来るだろ?」
 「うん。行っとこうか。ここんとこ風が気持ちいいからね」
 今夜はたとえひとりでも走りに行くつもりだったオレが誘いを断る理由なんかないし。

 そんなわけで、夜になってオレたちはいつもの河川敷に集合して、いい風吹いてる国道へと繰り出したんだ。
 本当は遅い時間はパスという千晶ちゃんに配慮して、リュウジの指定した時間はいつもよりちょっと早め。けれど行楽シーズンの終わった海沿いの国道は、深夜を待たずしてずいぶん走りやすい状況になっていた。

 「気持ちいいっスね、ハヤトさん」
 走りながら車体を寄せてきて、大きな声でノブオが言う。
 オレは首を縦に振って同意を伝える。聞こえたのか、ダイゴも同じリアクションだ。
 昨日は奇妙なことを口走ってたノブオだけど、今日はべつにいつも通りだった。
 リュウジの前だからかな。よっぽどリュウジに心酔してるってことなんだろうな。

 リュウジと一緒に前をいく千晶ちゃんは、今日も機嫌よさそうだ。
 少し速度をあげて、オレはリュウジと千晶ちゃんの間に入る。
 信号待ちで止まったのをいいことに、リュウジがオレにこう行って寄越した。
 「ハヤト!! あとで千晶ちゃんがお前に教わりたいことあるらしいぜ」
 「オレに? 何? 千晶ちゃん」
 「ん。いろいろと。駆け引きとかそういうの」
 「駆け引き──勝負の?」
 「うん。もちろん」
 「OK。お役に立てるといいんだけど」
 答えたところで信号が青に変わる。
 よし、GOだな、とマシンを始動させたその瞬間──たしかに背後に気配を感じてはいた。
 
 「待て、ゴラァァァ!!!」
 信号待ちの間にオレたちのすぐ後ろまで来ていた、叫び声の主。そしてその配下。
 それは言うまでもなく、シナリオ通りにコウヘイ以下、暗黒一家の面々だった。
 
 待てだ止まれだと言われたところで、さすがに国道のど真ん中で止まるわけにもいかないわけで。
 けれどもこのまま逃げるというのもオレたちの良しとするところではない。
 結局、オレたちは次の信号を曲がって、いつもの倉庫群の裏手へと入っていった。
 暗黒一家も当然のようにオレたちの後をついてくる。

 「オウ、コウヘイ!! 急に呼び止めやがって一体何の用だ?」
 停めた単車に跨ったまま、腕組みをしてリュウジは声を張る。
 オレたちはリュウジの後ろで成り行きを見守る。そう、よくあることなのでオレたちはなんてことないけど──不慣れであろう千晶ちゃんが心配だ。オレはさりげなく千晶ちゃんをかばうようにそっと車体を寄せていった。

 「その見かけねえ単車の野郎は貴様等の新入りか?」
 「──何?」
 にもかかわらず、コウヘイが示したのは、あろうことか千晶ちゃんだった。
 千晶ちゃんはきょとんとした顔でコウヘイたちを見た。そして。
 「あ──あの時の?」
 こうちいさく呟いたんだ。

 「だったらどうした? お前らには関係ねえだろ?」
 「関係なくもねえよなあ、新入り?」
 リュウジが言うのにおかまいなしに、コウヘイは凄味のある視線を千晶ちゃんに送った。
 「リュウジよ。貴様のところの新入りはな、こないだ俺等に喧嘩を売ったも同然の行為を働いた。聞いてねえのか?」
 「──なんだと?」

 リュウジが聞き返す間に、オレは思い出していた。
 そういや先週一緒に走ったときに、集合場所まで来る途中に千晶ちゃんはガラの悪い集団に突っ込んで行って、真ん中から追い越しをかけたような話をしていた。
 千晶ちゃんに視線をやると──オレの言いたいことがわかったように千晶ちゃんはこくりと頷いた。
 「千晶ちゃん──?」
 「うん、この兄ちゃんたちだったわ。あの時の」
 「……そりゃマズいな。相手が悪い」
 「え? そうなの?」
 
 コウヘイの粘りのある視線は、オレの隣の千晶ちゃんに向いたままだ。
 なんとか助け船を出さないと、と逡巡しているオレの横で──
 「ちょっと、どっちが喧嘩売ってるのよ? あたし、そんなつもりじゃなかったんだってば。ただ急いでたのに、あんたたちあたしの前でたらたら走ってて、邪魔だっただけじゃない。追い越しちゃいけないっての?」
 千晶ちゃんは、コウヘイに啖呵を切っていたんだ。

 「ほう──新入り。貴様、女だったのか。いい度胸だなあ」
 千晶ちゃんの言葉のあとを一瞬おいて、コウヘイは言ったんだ。
 「そうよ。度胸だったら負けないの。あたし逞しいから。ね、ハヤト?」
 「あ──ああ」

 「コウヘイ!! こいつのしたことが気に入らねえんなら俺が謝るぜ。だからこいつには手出しするんじゃねえ」
 リュウジの台詞に、コウヘイは薄ら笑いを返しながら言う。
 「ふん、リュウジ、貴様という漢はそのような軟派だったのか?」
 「軟派とか硬派とか、そういう話じゃねえだろ!!!」
 「それでは──どういう話なのだ? 俺たちはなあ、貴様等と違って遊びじゃねえんだぞ、ゴラァァァ!!!」
 「俺らだって遊びなんかじゃねえぜ!!!」
 「だったら勝負だな?」
 コウヘイは指の関節を無意識といった風に鳴らしながら、リュウジを真正面から見据えている。
 「当然!!! 受けて立つぜ」
 リュウジの凛とした声が、無機質なアスファルトに妙に響いていた。

 

テーマ : パチスロ - ジャンル : ギャンブル

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コメント

あーあ

きたきた、暗黒一家(笑)
でもこの前のモモコ騒動があったからなぁ。
なんか変な感じ(笑)勝負できるのかしら?

私の中の千晶ちゃんはなかなかの
かわいこちゃん(古ッ)になってます!うん、モー娘っぽいというか。
それにしてもTohko嬢の「KABA.ちゃん」には
笑ったッ!そっち系いっちゃったか!

>>ピノコさま

はいはい、来ましたよ。暗黒一家。
これが商売ですからね~。なんちて。

千晶ちゃん、かわいこちゃんに見えてきました?
やた~~~(=^▽^=)

いや、べつにKABA.ちゃんでも構いませんって。
Tohkoさんの中のかわいこちゃんがKABA.ちゃん
なのかも……違うか。だはは。

あちゃぁ・・・

KABAちゃんはだめでしたか?ピノコさま・・・orz
モー娘。・・・
えっと今何人ですか?
福田明日香は元気ですか?っwww
モー娘といえば↑が一番いいwww

はぁ~もうすぐまたひとつ年を重ねます^^
いい大人にならないと・・・www


>>Tohkoさま

レス遅くなってすみませ~ん!!!

モー娘。は……何人だ?
ぜんぜんわかんないっす。だはは。
でも、集団でいるとなんかカワイイですよね。

ところでTohkoさん、誕生日近いんですか?
奇遇だなあ。わたしも来週誕生日!!!

え?来週?

えっと・・・私も来週誕生日なんですが・・・www
すごい奇遇でびっくりですw

んじゃお互いにプレゼント交換でもしますか?って
子供的発想orz


>>Tohkoさま

えええ、Tohkoさんも来週?
うお~~~、おどろき!!!

わたしは10月5日が誕生日~ (*^ー^)ノ

プレゼントは何がいいかなあ :*:・( ̄∀ ̄)・:*:

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